映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』ネタバレ感想|覚悟を決めた女性たちに拍手喝采

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映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』ネタバレ感想|覚悟を決めた女性たちに拍手喝采
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ハリウッドのセクシャルハラスメント問題を告発するために声を上げた女性たちを描いたノンフィクション映画”SHE SAID(シーセッド)”「その名を暴け」が2023年1月13日に公開されました。

映画界で権力を誇っていた有名プロデューサーワインスタインの悪行の証拠をつかもうとする2人の記者の闘い。ずっと権力により隠蔽されてきた大きな問題がついに暴かれます。

示談で口封じされた被害女性たちとの取材も難航するばかりで、記事を掲載できるまでの過程はハラハラでかなりもどかしかったです!でもキャストの演技が素晴らしくて臨場感があって、最後の最後は本当に良かった。

この記事では、”SHE SAID(シーセッド)”「その名を暴け」のあらすじや感想についてまとめます。

Contents(タップできる目次)

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』のあらすじとキャスト

#MeToo 運動を広げたピュリッツァー賞受賞記事の内側を描くノンフィクションドキュメンタリー映画”SHE SAID(シーセッド)”「その名を暴け」のあらすじやキャストについてまとめます。

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』のあらすじ|#MeToo運動が起こるまでの軌跡

タイトルSHE SAID シー・セッド その名を暴け
上映時間129分
公開日2023年1月13日
公式サイトhttps://shesaid-sononawoabake.jp/
原作ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー
監督マリア・シュラーダー
声優キャストキャリー・マリガン、ゾーイ・カザン

2017年、ニューヨーク・タイムズ紙が報じた1つの記事が世界中で社会現象を巻き起こした。

SHE SAID公式サイトより

“SHE SAID(シーセッド)”「その名を暴け」はハーヴェイ・ワインスタインを告発した記事に関するドキュメンタリー映画です。今まで明るみ出なかった問題、被害者の声、決して容易く解明することができなかった問題に2人の記者が立ち向かい、そして大きな社会的現象を巻き起こすことになります。

取材を進める中で、ワインスタインは過去に何度も記事をもみ消してきたことが判明する。さらに、被害にあった女性たちは示談に応じており、証言すれば訴えられるため、声をあげられないままでいた。問題の本質は業界の隠蔽構造だと知った記者たちは、調査を妨害されながらも信念を曲げず、証言を決意した勇気ある女性たちと共に突き進む。そして、遂に数十年にわたる沈黙が破られ、真実が明らかになっていくー。

SHE SAID公式サイトより

クローズアップされる問題の一つとして、被害女性たちが苦しみながらもずっと声を上げられずにいたことが挙げられます。ワインスタインは何度も何度も大勢の女性に対して同じような行為をしてきましたが、示談では決まって巧妙な口封じを行っています。

被害にあった女性を見つけ、情報を得ることすら非常に困難であり、妨害されながらも突き進む2人の記者。2人の苦労の末、口を閉ざしていた被害女性が立ち上がります。

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』のキャスト|2人とも素晴らしい演技でした!

SHE SAID シー・セッドの著者でもある2人のジャーナリストジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーを演じるのはキャリー・マリガンとゾーイ・カザン。

ミーガン・トゥーイーを演じるキャリー・マリガンはイギリスのロンドン出身。映画「17歳の肖像」で初主演。「わたしを離さないで」「華麗なるギャツビー」などの話題作でヒロインを演じています。「わたしを離さないで」は作家カズオ・イシグロの小説をもとに製作された映画で日本でもドラマ化されていますね。

2021年・第93回アカデミー賞で受賞した「プロミシング・ヤング・ウーマン」では主人公を演じていました。

ジョディ・カンターを演じるゾーイ・カザンはアメリカのロサンゼルス出身。

彼女が出演する映画「ルビー・スパークス」を見たことがあるのですが、ルビースパークスではなんと製作総指揮と脚本も自ら担当されていたことを知って驚きました。

「恋するベーカリー」「イン・ユア・アイズ 近くて遠い恋人たち」など多くの人気映画でヒロインを演じています。

ルル

2人が出演されている過去の映画も見たい。

映画SHE SAID(シーセッド)『その名を暴け』の感想【ネタバレ】難しかったけど見て良かった!

映画シーセッドを見てきたのでさっそく感想をまとめていきます。

ネタバレを含むので映画をまだ見ていない人は気をつけてくださいね。

原書も和訳も買ってみたけど読み終われなかった……でも読んでて良かった!

“SHE SAID(シーセッド)”「その名を暴け」の映画化を知ってからすぐに「見たい!」と思ったのと内容が難しそうなので原書と和訳を買って読み始めました。

まずは和訳を読み始めましたのですが……

  • 小説ではなくノンフィクションなので情報に追いつけない
  • 記者が2人いるので少し混乱する
  • 登場人物がたくさん出てくる
  • 核心に行きつくまでの苦労の章が長い

と、なかなか読み進めるのが難しく挫折してしまいました……。映画ではきれいにまとめられてテンポよく話が進んでいきました。でも登場人物はやはり多くて混乱しそうだったので、あらかじめ本を読んでおいて良かったです。

ルル

映画を見たからもう一度原書も和書もじっくり読む!

ワインスタインは権力そのものだった

ワインスタインはプロデューサーであり、様々なコンサートやプロモーション、映画製作を行った華やかしい実績を持つ権力者。ワインスタインには人を出世させる力、キャリアを積ませる力があり、ワインスタインに「イエス」と答えるか「ノー」と答えるかはその後のキャリアに大きな影響を及ぼす可能性があったからこそ人に恐れられていました。

ワインスタインの女性へのひどい扱いは公然の事実でありながらも、称賛されるのはワインスタインで貶められるのが被害を受けた女性たちであったという構図は非常にわかりやすく恐ろしいと感じました。

覚悟を決めた女性たちの強い姿勢に心打たれる

映画の特別映像としてサバイバーたちの証言のYoutube動画が公開されていました。口外できない契約を示談で結び、口を閉ざし続けててきた女性たちが「公表する」と決めたときの覚悟の表情が印象的で見ているこちらも圧倒されます。

“The truth is out.”

自分が代弁者になる、これ以上の被害が出ないようにと覚悟を決めた彼女たちの心の声が表情からもわかりやすいです。

映画で印象的だったのが、四児の母であり乳がんの手術を控えていたローラ・マッデンが言った「私には3人の娘がいる。自分が受けた虐待を普通のこととして受け止めて欲しくない。だから名前を公表する」という言葉。

被害女性は示談で口外しない決まりを交わしているので、証言したら自分が訴えられるかもしれない。ニューヨークタイムズは法的に守ることはできないと明言していました。それでも、立ち上がった彼女たちの勇気はすごかったです。

「1人でも公表すればみんなも公表するはず」という考えには複雑な気持ち

ジョディが「誰か1人でも公表すれば、みんなも公表するはず」「みんな同じ部屋に集めたら絶対に公表する気持ちになるはず」と言っていました。

被害を受けたのが自分だけではないことがわかったら一致団結するはずというのは確かにそうなのですが……逆に被害を受けたのが本当に1人だけだったら泣き寝入りするしかなかったのだろうかという疑問は少し残りました。

2人の記者の息の合ったチームワークが良かった

産休が終わったミーガンがジョディとハーヴェイ・ワインスタインの調査をすることになります。取材で服装がかぶったり、うまくいったときに思わずぎゅっと抱き合ったり、2人の息の合ったチームワークがすごく良かったです!

キャリー・マリガンとゾーイ・カザンの演技が素晴らしくて2人ともにすっかり魅了されました。取材でワインスタインの行為を聞いているときのジョディの何とも言えない表情はすごく共感でした。

ミーガンとジョディの家族との時間も垣間見えて良かった

ミーガンはちょうど妊娠して赤ちゃんが生まれたばかり、ジョディには2人の子どもがいます。

産後悩んでいるミーガンや、出張中に子どもとテレビ電話するジョディのシーンがあって、仕事だけではなく家庭を持つ母としての顔も垣間見えて良かったです。

それぞれ家庭があって、仕事も必死にこなしている。四六時中仕事の電話がかかってくる生活でも、強く生きている2人はすごいなと思いました。ミーガンは産後すぐの復帰だったし、「仕事をしているほうが助かる」というようなことを言っていたのは少し気になりました。

ルル

あの場面はどういう意味があったんだろう……。

被害女性たちがワインスタインを恐れていたのは自分のキャリアを奪われる恐怖があったからで、ただただキャリアのためを思って黙っていた人も多かったはず。

女性が働く上での問題についても考えさせられる映画でした。

報道がワインスタインの逮捕までたどり着いたのがすごかった

ワインスタインは報道を受けて2017年にワインスタイン・カンパニーから解雇されます。

ミーガンとジョディの記事を見て「自分も被害を受けた」という声が後を絶たず、#MeToo運動が巻き起こります。

ロンドン警視庁・ニューヨーク市警察がワインスタインの性的暴行について捜査を開始し、2018年にはワインスタインは逮捕され正式に起訴されています。

ミーガンとジョディが被害女性に辛抱強く声を掛け続けたこと、確固たる証拠を握ったタイミングで記事を掲載したことの功績が実際の判決に結びついたことがすごいですよね。報道、ジャーナリズムのすごさを目の当たりにしました。

ワインスタインや公表した女性たちのその後が気になった

映画は記事を掲載するところで終わったので、ワインスタインが逮捕されるまでの経緯や公表した被害女性のその後の様子も気になるー!という最後でした。

何度も同じような犯罪行為を繰り返しては、お金で解決して被害者を黙らせてきたワインスタイン。なぜそんなことを繰り返したのか、どんな言い分があっても全く許されませんし、到底理解のできる行動ではありませんでした。

本を読んだので、最後に補足しておきます。(最後の映画の字幕で流れていたかもしれませんが)

2017年に記事が公開されすぐに警察の捜査が開始。2018年にワインスタインは正式に起訴され、2020年にニューヨーク最高裁判所で禁錮23年の判決を受けました。

しかもワインスタインは、合意なき性交渉をしたという告発をすべて否定し続け、いまもわたしたちの報道が事実に反していると繰り返し主張している。

新潮文庫「その名を暴け」

ワインスタインは最後まで否定し続けたと本には書かれていました。

原作には声を上げた女性へのその後のインタビューなども載っているのでじっくり本も読んでみようと思います!

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』の感想・口コミ

SHE SAIDの映画を見た感想をSNS上で調べました。アメリカでは2022年11月18日に映画公開され、2023年1月にはすでにブルーレイが販売開始、大反響です。

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』のあらすじと感想まとめ

映画SHE SAID シーセッド『その名を暴け』を紹介しました。

きらびやかに見えるハリウッドの世界にからみつく巨大な権力と孤独に苦しみ続けた女性たち。

勢力に押しつぶされそうになりながらも諦めずに記事にした2人の女性たちの勇敢な行動と2人を支えた周りの人たちはすごい。「すごい」という一言では表しきれないですが。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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